やはり国内銅建値が下がり、55万円となった。
成人の日の翌日(1月12日)の改定を避け、1日ずらして56万円としたが、やはり上がる傾向がないと理解したのだろう、55万円で改定した。
海外銅も国内株、海外株も原油も散々だからね、明るい要素がない。
これで、2016年の履歴は
1月4日:61万円
1月7日:59万円
1月13日:56万円
1月18日:55万円
となった。
下げを示す赤色が連続し、真っ赤っ赤だね。
過去の国内銅建値の推移はコチラで見られるが、1月でこれだけ低いのは、近年では珍しいのではないだろうか。
実際に、2010年までの、年始3回の国内銅建値を見てみよう。
2015年 (平成27年)
01月05日(月) 81万円 2万円 ↓(下げ)
01月08日(木) 79万円 2万円 ↓(下げ)
01月14日(水) 74万円 5万円 ↓(下げ)
2014年 (平成26年)
01月06日(月) 82万円 2万円 ↑(上げ)
01月10日(金) 81万円 1万円 ↓(下げ)
01月16日(木) 82万円 1万円 ↑(上げ)
2013年 (平成25年)
01月04日(金) 76万円 6万円 ↑(上げ)
01月09日(水) 74万円 2万円 ↓(下げ)
01月15日(火) 76万円 2万円 ↑(上げ)
2012年 (平成24年)
01月04日(水) 64万円 据え置き
01月10日(火) 62万円 2万円 ↓(下げ)
01月13日(金) 65万円 3万円 ↑(上げ)
2011年 (平成23年)
01月04日(火) 84万円 1万円 ↑(上げ)
01月11日(火) 82万円 2万円 ↓(下げ)
01月13日(木) 85万円 3万円 ↑(上げ)
2010年 (平成22年)
01月04日(月) 73万円 5万円 ↑(上げ)
01月07日(木) 75万円 2万円 ↑(上げ)
01月14日(木) 72万円 3万円 ↓(下げ)
これらを見ると、2016年1月18日の55万円という値がどれほど低いか、お分かりいただけると思う。
賢明なスクラップ屋は昨年末に出荷し切っている(年始後の相場下落や休暇中の盗難を避けるため)だろうが、最終出荷に間に合わなかった入荷分が残っているはずだ。
年末には駆け込みで入荷が増えるので、それなりの在庫があるはず。
で、年が明けたら、この有様。
体力(=カネ)のあるところは相場回復まで在庫にすればいいが、ないところは、損してでも売らないと、次の仕入れのカネがない。
雑線を自社で剥いてピカ線にし在庫単価を下げ、利益を確保するところもあるだろう。
スクラップ屋は相場に翻弄されるだけでなく、工夫も必要なのだ。
重要なのは、スクラップ屋は、相場が下がると、売上が下がるということ。
売買量は同じであっても、だ。
簡単な話だ。
ピカ線を1kg800円で売ると、800円の売上。
ピカ線を1kg550円で売ると、550円の売上。
同じ1kgを売ったにも関わらず、250円の売上減。
800円あった売上が、550円になるので、約7割に減少。
1kgを仕入れて売るのにかかる費用(=経費)は、同じはずだ。
銀行依存のところは、売上の減少をこの例を使って担当に説明するのだが、担当者は理解ができても、決定権のある「上」は、数字だけを見るからね。
売上げ減は、それを打ち消すだけのインパクトがある。
おかしな話だけどね。
業界に古くから携わる人の中には「(国内銅は)50万円が妥当」という論を持つ人がいる。
最近でこそ、70万円とか80万円であったが、2005年以前の値を見てみよう。
わずか10年前の話だ。
50万円というのは感覚的な値であり根拠はないだろうから、40万円でも30万円でもいいのだが、いずれにしろ70万円や80万円は高すぎたということだ。
国内銅は2006年以降急激に上昇し100万円を突破したこともあるが、そんなに急に上がるのは変だよね。
変な要素で上がったものは、容易に下がるのだ。
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